出版不況の話
2015年11月03日 (火) | 編集 |
ごちうさ
せめて景気の良いごちうさイラ。やたらRTされた



ツイッターを見てると、結構な頻度で
「出版不況だなぁ」と思う書き込みが流れてきます。
部数の話だったり、初動が大事、とかだったり。
実際出版不況のせいで、格差は顕著になったと思います。
分かりやすい例で言うと、新人作家の初版部数のベースが減りました。
全盛期の三分の一ぐらいでしょうか。

そんでまぁ、私も決して景気の良い作家の方ではないものの
出版が好調だった頃がずっと続いていたら
今私はもう、漫画家じゃなかったかもなぁとも思うのです。

というのも、私の元々のスタートは少女漫画の「花とゆめ」でした。
デビュー時に丁度新人育成用の増刊号などが高頻度で出てくれたおかげで
コンスタントに掲載されて、年3,4回は読み切りを描かせてもらえました。

シーソーゲーム
別花時代はシリーズで4回とか描かせてもらったものの、単行本には至らず


でもアンケートが思うように伸びず(大体6~10位あたりをウロウロしてたような…)
最低でも5位以内に入らないと連載化にはならない、という事で(当時)

ヴォルテージ!
こんなん描いてたらそら少女漫画では無理だと思う(クリックで拡大)


結局香川の実家で3年、上京して3年、
ずっと読み切りは描き続けてましたが上に行けませんでした。

(長いので続きます↓)

その頃、人事異動や雑誌形態の変更などがあり
ネームが突然通り難くなりました。
「あ、私はもう花とゆめではいらないんだな」とハッキリ自覚しました。

ブラザーカンパニー
別花最後のオリジナル作品「ブラザーカンパニー」カプコン清野さんが未だに
「これ単行本収録しないの」、って言ってくれてる。しません。


もちろん編集さんはそんな事言いませんし、
チャンスは0ではなく、ただただ少なくなっただけです。
しかし私は「少女漫画は向いてない」とも大分感じていたので、
ここでいきなり「少年漫画に行こう」と思いました。

それで行けるなら苦労しないというか、
そもそも少女漫画⇒少年漫画、って
絵の方向性がものすごく違うので
普通仕事などきません。
しかしその頃、丁度色んな雑誌が発刊したり携帯漫画が発足したりの時期で、作家がどこも足りない頃でもありました。

また、私が花とゆめで最後にした仕事がゲームのコミカライズだった事

YO-JIN-BO YO-JIN-BO2
PCゲーム「YO-JIN-BO」
結局「PCゲームだから単行本出さない」と謎の宣言をされましたが、じゃあ何故コミカライズしたのか…


そして花ゆめ提携のゲームのアンソロに関わらせてもらったことも運が良かったです。

フルキス
「フルハウスキス」
アンソロやファンブックなど、ほんとにたくさん仕事させてもらいました。
今見ると足がでかいっすね


そっちの系列のツテで仕事を頂けて、少女漫画の連載も運よく頂けました。

ラブルートキス
「ラブルートゼロ」
こちらも、「YO-JIN-BO」でたまたまラジオに出て、取材して下さったライターさんが原作者さんです。


逆転裁判
「逆転裁判」アンソロ系の仕事も結構頂きました


そしてたまたま少年漫画のコミカライズに抜擢して頂いて、少年漫画デビューもできました。

デルタサーガ
「デルタサーガ」
なんと1話目は雑誌表紙も飾ったような気がする(記憶薄い、違うかも)


もちろん、安穏と仕事を待っていたわけではありません。
漫画に専念するために、一切のアシスタントをやめて半年は完全に無収入でした。
一日の食事が卵2個、という日もありました(その話を聞いてカプコンの清野さん※が米を持ってきてくれた事もw)
※清野さんについては「モンでき。」参照



モンでき。凸凹編


モンでき。凸凹編
著者:津々巳あや
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ベースが少女漫画絵なので、何度もリテイクを食らって、1か月ぐらいずっと絵の提出をしていました。
ネームを某誌に提出して、無視されたこともありました。(3回ぐらい確認の電話をしたけど)
でも、少女漫画で1冊もコミックスが出てない作家に連載がまわってくるのです。

これは、出版不況になりつつある時期だから、とも言えます。

雑誌が売れない⇒雑誌たくさん出そう⇒作家が足りない
⇒携帯漫画とかやれば受けるんじゃ!?⇒作家が足りない


↑こんな感じだったと思います。
もちろん、こんな感じなので休刊した雑誌もたくさんありますし
私が関わった雑誌も漏れなく休刊でしたが
私としては貴重な「少年漫画連載」という経験をさせてもらいました。
たくさん漫画を描けたおかげで、初めは「絵が下手」だとか「絵が少女漫画っぽい…」
とか編集さんに散々文句を言われていた私の絵は、今
「津々巳さんは絵が描けるから」と言われるようになりました。恐ろしいですね。
量をたくさん描くという事がどれだけ大切か分かりますね。
漫画家を目指してる方はこの辺赤ペン入れといて下さいね。


途中から何を書こうとしてたか分からなくなってきましたが
ともかく、もし出版不況がなかったら
私のような作家が出る隙間もなかったのでは…と思うのです。
かといって、出版不況はやはり困った事ではあるのですが。
自分は少なくとも隙間産業に滑り込めたんだなぁと。


そんなわけでちょっと自分の作家になってからを振り返りましたが
元の話に返って、「初動が大事」というのがありましたね。

初動は本当に大事です。
ただ、私はあまりこの言葉が好きではなくて
ツイッターでは言わないようにしております。
作家の都合を読者に押し付けてるような気がしてしまうんですね。
(あくまで、私個人の感覚です)
ただ、やはり発売して1週間以内に買って欲しいと思う理由が別にあります。

大体1週間すぎると本屋に中々置いてないんです。
平積み⇒棚刺し、になるのがおおよそ1週間以内です(次の発売する単行本があるので)
そしてよほど人気漫画でないと、再入荷も中々ありません。売り切って終わりです。
なので、私のような弱小作家の単行本を買う場合は

・なるべく1週間以内
・書店で注文しておくと確実
・ネット注文


などがベストです。
よく、「本が売ってないです…」って言われるたびに忍びないので
一応ここに書いておきます。

でも、何より一番なのは私が常時本屋さんに置いてもらえるような作品を作る事です。
読者さんにはほんと苦労させて申し訳ないです。
こんな事を言わずにすむ作品を作れるように今後も頑張りたいと思います。


そんなわけで最新刊「女子大生の日常」3巻よろしくお願いします。
既に本屋にほとんどないと思います。(笑)

来年夏までに2~3冊出る予定です、その後は分かりません!
でも頑張ります!
今後ともよろしくお願い致します。



女子大生の日常 3


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著者:津々巳あや
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コメント
この記事へのコメント
こんばんは!
女子大生の日常、ずっと本屋さんで探してるのに見つからなかったのはそういうことだったんですね…!
近くの本屋さんに注文します!
そして花ゆめ時代の先生のイラストとても可愛いでーす(*^O^*)
単行本になってないのとても残念です(´・ω・`)
2015/11/04(Wed) 00:38 | URL  | アルミ #-[ 編集]
>アルミさん
わー!有難うございます!!ヽ(;▽;)ノ
本屋さんに注文して頂けるのは作家にとって一番有難いです…!ほんと嬉しいです!

花ゆめ時代のものは今後よっぽどのことがないと
まとまる事はまずないと思いますが(苦笑)
そう言って頂けて嬉しいです(*´v`*)
2015/11/04(Wed) 12:30 | URL  | 津々巳あや #NqNw5XB.[ 編集]
確かにヽ(・∀・)ノ
ツイッターでは見れない先生の言葉と言うか想いがひしひし伝わりますね~
漫画家の活動の裏を本の少し垣間見せてもらったようで、やはりシビアな世界だなぁとも改めて思いますね。
芸能界などと同じで人気や知名度でかなり違って来る世界でしょうし。
なんとなくですがまさか先生もモンハンでさらに知名度を上がるとは思わなかったんじゃないかなぁと(笑)
今は個人の本屋も少なくなり、大きな書店がない場合はネット販売に頼らないといけないですが、同じ買うならやっぱ本屋で買いたいなぁと思い、極力本屋に取り寄せてもらって買ってます♪
ネット販売はコンビニ受け取りもあるので楽は楽なんですがね(笑)
なにはともあれ、先生の漫画だけに限らずツイッターもですが普段からの日常も楽しまさせてもらってますが、引き続き応援しとります~&ダイエットのリバウンドに先輩共々お気を付けて(笑)
2015/11/07(Sat) 21:54 | URL  | うじぎん #-[ 編集]
>うじぎん さん
コメント有難うございます(*^o^*)
そうですね~モンハンでさらに…というか、ほぼモンハンの知名度な気がします(笑)
そういう意味では、やはり少女マンガ時代に清野さんに出会えてた事が私にとっては最大のラッキーだったのだと思います。

今後とも頑張りますのでよろしくお願い致します!!
2015/11/08(Sun) 12:59 | URL  | 津々巳あや #NqNw5XB.[ 編集]
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